ECカートの種類と選び方を解説!選ぶポイントを徹底比較

目次

    ECサイトを立ち上げる際に重要なのは、どのECカート(ショッピングカートシステム)を選ぶかという点です。ECカートは、費用体系や提供機能がそれぞれ異なるため、自社のビジネス規模や運用体制に適したものを選ぶことが、成功の鍵となります。

    ここでは、「料金」「機能」「カスタマイズ性」「サポート体制」「導入のしやすさ」の5つの観点から、重要なポイントを解説し、主要なECカートサービス(ecbeing、MakeShop、FutureShop、ShopServe、Shopify、カラーミーショップ、EBISUMART)を比較します。

    ECカートの種類

    ECカートシステムには様々な種類があり、代表的なものとして以下の5種類が挙げられます。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自社のニーズに合ったタイプを理解しておくことが重要です​。

    ASP型

    ASP型は、提供会社が用意したクラウド上のECプラットフォームをレンタルして利用するタイプのECカートです。ソフトウェアを自社サーバーにインストールする必要がなく、インターネット経由でサービスを利用できます。

    初期費用が比較的安く、月額数万円程度で利用できるうえ、システム保守や機能アップデートは提供会社側で随時行われるため、導入・運用の手間が少ない点が魅力です。

    その反面、プラットフォームの標準機能の範囲で運用する形になるため、カスタマイズ性は制限される傾向があります。また、サービスによってはオプション利用に追加費用が発生することがあり、提供元に障害が発生すると、システムが利用できなくなるリスクも考慮が必要です。


    主なカート:MakeShop(メイクショップ)、ショップサーブ(Shopserve)、カラーミーショップ

    クラウド型(SaaS)

    クラウド型(SaaS)はASP型と似た仕組みですが、最新のクラウド技術を活用し、高機能なサービスを提供するケースが多いのが特徴です。基本的には、インターネット上のサービスを月額料金で利用する点はASP型と同様ですが、マルチテナント型(複数の利用者が同じシステムを共有する方式)を採用し、大規模な拡張に対応しやすく、アップデートや機能追加が高速に行われる点が強みです。

    例えば、ShopifyやEBISUMART(エビスマート)はクラウド型のECプラットフォームに分類されます。近年では、「クラウドEC」と呼ばれる、標準機能をベースに個別開発が可能な柔軟なサービスも登場しています。

    クラウド型は、従来のASP型では難しかった細かなカスタマイズや外部システムとの連携が可能です。ただし、提供会社と連携して開発を進める必要があるため、ASP型より費用が高くなるケースがあります。


    主なカート:ecforce(イーシーフォース)、futureshop(フューチャーショップ)、Shopify(ショッピファイ)、ebisumart(エビスマート)

    パッケージ型

    パッケージ型は、ECサイト構築に必要な機能を備えたソフトウェア製品(パッケージ)を購入し、自社サーバーやデータセンターに導入して運用する方式です。ベンダー各社が提供するパッケージを導入し、自社向けにカスタマイズしてECサイトを構築できます。フルスクラッチ(完全自社開発)よりも低コストで導入でき、ベンダーによる構築支援やサポートを受けられる点が利点です。

    ただし、ライセンス費用や導入費用として数百万円規模の初期投資が必要になるケースが多く、加えて、サーバー維持やバージョンアップ対応などの運用コストもかかります。また、導入後はシステムが徐々に古くなるリスクがあり、数年後にはアップデートやリプレース(入れ替え)を検討する必要が生じることもあります。


    主なカート:ecbeing(イーシービング)

    オープンソース型

    オープンソース型は、ソースコードが公開され、自由に利用できるオープンソースソフトウェアを用いて構築するECカートです。代表的なソフトウェアには、日本のEC-CUBEや海外のMagentoがあります。ソフトウェア自体は無償で利用できるため、ライセンス費用を大幅に削減できるのが最大のメリットです。

    ただし、コードの設置やカスタマイズには開発スキルが不可欠であり、バグ修正やセキュリティ対策も自社で行う必要があります。そのため、社内に開発者がいるか、外部の専門会社に委託できる体制がなければ、運用の難易度は高くなります。

    フルスクラッチ型

    フルスクラッチ型は、ゼロから完全にECサイトを設計・開発する方式です。自社内の開発チームや外部のシステム開発会社に依頼し、自社のビジネスモデルや要件に最適化したシステムを一から構築します。他の方式と比べて自由度・柔軟性が極めて高く、独自の機能開発や他システムとの細かな連携にも柔軟に対応できます。

    ただし、開発には莫大なコストと長い期間がかかり、完成後も自社でシステムの保守・運用を担う必要があります。バージョンアップやセキュリティ対応も自社で行う必要があるため、十分なエンジニアリソースや資金力がなければ、現実的な選択肢とは言えません。

    ECカート選びのポイント

    ポイント1:料金(初期費用・月額費用・手数料など)

    ECカートの料金は大きく分けて初期費用、 月額費用、各種手数料( 販売手数料・決済手数料)の3つに注目しましょう。例えば、多くのASP型(クラウド型)サービスでは初期費用が無料ですが、初期費用が1~5万円程度かかるサービスもあります。
    月額費用、取引手数料、決済手数料はECカートによって様々です。
    「月額費用ゼロだが手数料高め」か「月額費用ありで手数料低め」かで損益分岐点が変わります。初期投資を抑えてテスト的に始めたい場合は前者、売上規模が大きくなれば後者のプランが有利になります。

    サービス名 初期費用 月額費用 販売手数料 決済手数料
    500万円〜 20万円〜 要問合せ 要問合せ
    11,000円〜 12,100円〜 なし 3.19%〜
    22,000円〜 24,000円〜 なし 3.20%〜
    30,000円〜 25,000円〜 34円/件 3.5%〜
    4,850円〜 2% 2.0%〜
    3,300円〜 4,950円〜 なし 3.4%〜
    300万円〜 20万円〜 2%〜 3.0%〜
    148,000円〜 49,800円〜 30円/件 3.3%〜

    ポイント2:機能面の充実度(決済方法、マーケティング機能など)

    ECカートに備わる基本機能としては、商品登録・在庫管理、ショッピングカート機能・決済処理、注文管理、お客様情報管理などが共通して提供されます。さらに、サービスによって拡張機能やマーケティング支援機能の充実度に差があります。例えば、クーポン発行やポイント制度は集客に有効な機能ですが、プラットフォームによって標準搭載されている場合と、追加アプリで対応する場合があります。

    決済方法の多様性も重要な比較ポイントです。主要なECカートは、クレジットカード決済に加え、コンビニ払い、銀行振込、キャリア決済、PayPayなどの電子マネーやID決済にも対応しています。ただし、導入方法はサービスによって異なります。

    また、マーケティング機能としては、各サービスでは、SEO設定(メタタグの編集や独自ドメイン対応など)や、分析機能(アクセス解析)が提供されています。メールマガジン配信機能も多くのプラットフォームで提供されており、カートによっては、購入者フォローメールやカゴ落ち対策メールなど、細かいシナリオ配信にも対応しています。

    自社の販売戦略に必要な機能が、どこまで標準で備わっているか、不足している場合は追加アプリで補えるかを確認しましょう。

    サービス名 決済方法の種類 クーポン発行内容 ポイント制度内容 マーケティング機能
    クレカ、コンビニ、PayPayなど キャンペーン連動など複数パターン対応 付与・利用ルールを細かく設定可能 クーポン、レコメンド、アンケート、分析など
    クレカ、コンビニ、Amazon Pay、楽天ペイ、PayPayなど 商品別・会員限定など多様な設定が可能 購入金額に応じて付与・利用可能 メルマガ、SEO、アクセス解析
    クレカ、Amazon Pay、PayPay、キャリア決済、後払いなど 割引・送料無料など多様 会員ステージごとに付与率を調整可能 レビュー、入荷通知、ライブ配信など
    クレカ、コンビニ、Amazon Pay、楽天ペイ、PayPayなど 利用条件や割引率を柔軟に設定可能 会員ランクや購買履歴に応じたポイント付与 メルマガ、顧客管理、レビュー
    クレカ、Shop Pay、Amazon Pay、Apple Pay、Google Pay、PayPalなど 標準機能で商品別・条件付きの発行が可能 アプリ導入により実装可能 アプリで拡張(メルマガ、SNS、SEOなど)
    クレカ、Amazon Pay、楽天ペイ、LINE Pay、PayPayなど 商品割引や送料無料クーポンを発行可能 独自ポイントとGMO共通ポイントを併用可能 SNS連携、SEO、アクセス解析など
    クレカ、コンビニ電子マネー、キャリア決済など 条件指定で複数クーポン設定が可能 会員へのポイント付与と利用が可能 メルマガ、SEO、会員ランク設定など
    クレカ、後払い、Amazon Payなど クーポンコード形式、 有効期限や対象商品など指定可 購入金額に応じて付与、割引・交換などに使用可能 A/Bテスト、広告連携、ステップメールなど

    ポイント3:カスタマイズ性の高さ(デザイン自由度や拡張性の高さ)

    ECサイトのデザインや機能を、どの程度カスタマイズできるかも重要なポイントです。テンプレートの種類が豊富であれば、自社にデザイナーがいなくても、デザイン性の高いショップページを簡単に作成できます。カートによっては、テンプレートのテーマを選択できるため、業種や取扱商材の雰囲気に合わせて選ぶとよいでしょう。

    テンプレートの種類が少なくても、HTMLやCSSを直接編集できるカートであれば、自社に合ったデザインカスタマイズが可能です。ただし、この場合はある程度のコーディング知識が求められます。

    機能拡張に関しては、プラグインやアプリの充実度を比較することが重要です。Shopifyは、公式アプリストアで7,000以上のアプリが公開されており、新機能の追加や他システムとの連携が容易です。

    標準機能でどこまで対応できるのか、プラグインやアプリの連携によってどの程度機能を拡充できるのかを把握し、ランニングコストにも注意しましょう。

    サービス名 デザインテンプレート HTML/CSSページ編集 プラグイン・アプリ API連携
    173種類のデザインテンプレートを用意 HTMLやCSSで独自のページ作成が可能 プラグインの追加により機能拡張が可能 外部サービスとのAPI連携が可能
    業種別に最適化された100種類以上のテンプレートを提供 HTMLやCSSの編集が可能で、独自デザインの実現が可能 プラグインの追加により機能拡張が可能 外部サービスや自社システムとの連携が可能
    豊富なテンプレートを用意し、カスタマイズ対応可能 HTMLやCSSの自由な編集で独自デザインを実現 プラグインの追加により機能拡張が可能 API連携により外部サービスとの連携が可能
    要問合せ 要問合せ 要問合せ 要問合せ
    無料・有料の豊富なテーマ(テンプレート)を提供 コード編集(HTML、CSS、Liquid)により、高度なデザイン変更が可能 8,000以上のアプリ(プラグイン)で機能拡張が可能 外部サービスとのAPI連携が可能
    豊富なデザインテンプレートを提供し、簡単に高機能ECサイトを構築可能 HTMLやCSSの編集により、独自デザインのカスタマイズが可能 プラグインの追加により機能拡張が可能 API連携により外部サービスとの連携が可能
    豊富なデザインテンプレートを提供し、カスタマイズが可能 HTMLやCSSの編集により、独自デザインの作成が可能 800種類以上のプラグインで機能拡張が可能 API連携により豊富な機能拡張やカスタマイズが可能
    テンプレートの可変性を重視し、デザインの自由度が高い HTML、JavaScript、CSSの編集により、独自デザインの作成が可能 様々なAPIが用意されており、外部サービスとの連携やカスタマイズが可能 外部連携機能を利用し、企業のニーズに応じたカスタマイズが可能

    ポイント4:サポート体制の充実度

    ECサイトを運営するにあたり、ECカートのサポート体制は非常に頼りになります。特に、初めてネットショップを運営する場合は、困ったときにすぐ相談できるサービスがあると安心です。サポートには、主にメール(問い合わせフォーム経由)、チャット、電話、マニュアルやコミュニティなどがあります。

    サービス名 問い合わせフォーム チャット・電話 マニュアル コミュニティ
    × ×
    ×
    ×
    × × ×
    〇(条件付き)
    〇(AI) ×
    ×
    ×

    ポイント5:セキュリティの確保

    ECサイトでは、顧客の個人情報や決済情報を扱うため、セキュリティの確保は不可欠です。選択するECカートがSSL対応していることはもちろん、PCI DSSなどの必要な基準を満たしているかを確認しましょう。また、脆弱性への対応状況や過去のセキュリティインシデントの有無も確認が重要です。
    セキュリティ面では、クラウド型やASP型の場合、サービス提供企業側で最新のアップデートが適用されるため比較的安心ですが、自社開発型では常に最新の状態を維持する必要があります。

    サービス名 PCI DSS対応※1 2要素認証 IPアドレス制限 端末制限
    要問合せ 要問合せ
    要問合せ
    要問合せ
    要問合せ 要問合せ 要問合せ 要問合せ
    対応なし 要問合せ
    要問合せ 要問合せ
    要問合せ

    ※1 PCI DSS:クレジットカード情報を安全に取り扱うための国際的なセキュリティ基準

    代表的なECカートの比較

    ここでは、日本国内で代表的な8つのECカートについて、主な特徴やメリット・デメリット、どのような事業者に向いているかを解説します。

    1.ecbeing

    大手企業向けのECサイト構築パッケージとして国内トップクラスの導入実績を持つサービスです。スタートアップからエンタープライズまで規模に応じたプランが用意されており、柔軟なフルカスタマイズ開発が可能な点が最大の強みです。

      特徴

    • 企業のニーズに合わせて柔軟なカスタマイズが可能で、多様な業種・業態に対応でき、SEO対策、レコメンド機能、RFM分析など、売上向上を支援する機能が豊富に備わっています。

      メリット

    • 柔軟なカスタマイズ:
      企業独自の要件に応じたECサイトを構築でき、将来的な機能追加や拡張も容易です。
    • 包括的なサポート体制:
      専任の担当者が開発から運用、マーケティングまで一貫してサポートし、ECサイトの成功を支援します。
    • 最新機能の提供:
      自動バージョンアップ機能により、常に最新の機能やトレンドを取り入れることができます。

      デメリット

    • 高額な初期費用と月額費用:
      スモールプランでも初期費用約500万円、月額費用約20万円からと、他のサービスと比較して高額です。
    • 高い専門知識が必要:
      システムのメンテナンスやカスタマイズには専門的な知識が求められ、社内に適切な人材が必要となります。

      向いている事業者

    • 大規模なECサイトを運営する企業:
      高いカスタマイズ性と拡張性を活かし、独自性の高いECサイトを構築したい企業に適しています。
    • 手厚いサポートを求める企業:
      開発から運用、マーケティングまで一貫したサポートを受けたい企業に向いています。
    • 高いセキュリティを重視する企業:
      堅牢なセキュリティ体制を求める企業に最適です。

    ※一方、初期投資を抑えたい小規模事業者や、迅速な導入を希望する場合には、他のプラットフォームの検討も必要かもしれません。

    2.MakeShop

    MakeShopは、GMOグループが提供するASP型のショッピングカートサービスで、2012年から2020年まで連続で取扱高シェアNo.1を誇る人気のプラットフォームです。2004年にサービスを開始し、長い歴史を持ち、中小規模から大規模まで約1万店舗のネットショップで利用されています。

      特徴

    • ECサイト構築に必要な機能をオールインワンで提供し、集客支援にも強みを持つのが特徴です。

      メリット

    • 充実した機能と優れたコストパフォーマンス:
      商品管理・決済・顧客管理などの基本機能に加え、スマホ最適化やSNS連携、売上アップのためのマーケティング機能(ランキング表示、クーポン発行、広告タグの設置、アクセス解析対応など)が標準搭載されています。
    • 170種類以上のデザインテンプレート:
      HTML/CSSの知識があれば細部までレイアウトをカスタマイズできるため、デザインの自由度も高くなっています。
      また、テンプレートを使えば初心者でも簡単におしゃれなショップを作れるため、初めての方にも扱いやすいと評価されています。
    • コストパフォーマンスの良さ:
      例えばスタンダードな「プレミアムプラン」は初期費用11,000円、月額12,100円(税込)という低コストで必要十分な機能を利用可能です。
    • 充実したバックアップ体制:
      専任のECアドバイザーによる無料サポートを受けられるほか、電話やメールでの相談、運営ノウハウの提供など、充実したバックアップ体制が整っています。

      デメリット

    • 低価格帯のサービスと比較すると費用がかかる:​
      ​初期費用や月額料金が無料のサービスも存在するため、できるだけ費用を抑えたい場合、月額1万円強の料金が負担に感じられるかもしれません。 ​
    • 高度なカスタマイズには専門知識が必要:
      テンプレートをベースに凝ったオリジナルデザインを作るには、HTML/CSSのスキルが必要となります。

      向いている事業者

    • 中小規模のEC事業者全般
    • 低コストで本格的なネットショップを開設したい個人事業主や中小企業
    • 将来的に規模拡大を目指し、集客支援機能も活用したい事業者

    初めてECサイトを運営する場合でも、サポートを活用しながら進められるため安心です。
    一方で、できるだけ費用をかけずにスタートしたい場合や、完全に独自開発したい場合には適していません。

    3.Futureshop

    Futureshopは、2003年提供開始のSaaS型ECサイト構築プラットフォームで、2,900店舗以上の導入実績があり、利用店舗の中から年商1億円を超える成功事例も多数生まれているなど、中堅~大規模ECで使用されています。

      特徴

    • 高度なデザインカスタマイズ性とマーケティング機能を兼ね備えたECプラットフォームです。外部サービス連携も豊富で、拡張性が高く、中長期的なEC戦略を支える構成となっています。

      メリット

    • 高いデザイン自由度とマーケティング・CRM機能:
      「futureshop omni-channel」機能を活用すれば、実店舗との在庫・ポイント連携も可能で、オンラインとオフラインのシームレスな販売を実現できます。
    • HTML/CSS編集やJavaScriptの埋め込み対応:
      細かいデザイン調整が可能です。
    • 販促機能が充実:
      「タグマネージャー」や「レビュー機能」「ステップメール」「ポイント設定」など、多彩な機能が標準搭載されています。
    • 外部アプリとの豊富な連携:
      LINE連携、KARTE、ecコンシェルなどとの連携が可能です。
    • セキュリティにも配慮:
      常時SSL対応、脆弱性対策などが備わっています。
    • 業種別テンプレート&有料カスタマイズ対応:
      プロのデザイナーによるカスタマイズも可能です。
    • 充実したサポート体制:
      専任のカスタマーサクセス担当が運営改善をサポートします。

      デメリット

    • 初心者にはややハードルが高い:
      中級者以上向けのプラットフォームで、テンプレートの自由度が高い分、HTML/CSSやJavaScriptの知識が不可欠です。
    • コスト面で慎重な検討が必要:
      たとえば「futureshop standard」の場合は、初期費用22,000円、月額27,500円(税込)〜となっており、小規模店舗やスタートアップにはやや高めです。

      向いている事業者

    • 自社ブランドを重視し、デザインにこだわる事業者
    • ファッションや美容、食品など、ビジュアル重視の業種
    • 店舗とECの連携を進めたい事業者
    • 中長期的に成長・スケールを見据えている中〜大規模事業者

    ※一方、コストを最小限に抑えたい、もしくはノーコードで簡単にECを立ち上げたいというニーズには不向きです。

    4.shopserve

    ASP型のECサイト構築サービスで、1999年のサービス開始以来、11万社以上の導入実績を持つプラットフォームです。

      特徴

    • ECサイト運営に必要な機能をオールインワンで提供し、特に手厚いサポート体制と高いセキュリティ性が特徴です。

      メリット

    • 充実したサポート体制:
      各店舗に専任の担当者が付き、システムの操作方法から売上向上の施策提案まで、幅広いサポートを提供します。
    • 高いセキュリティ性:
      Google推奨の常時SSLに対応し、全ページの暗号化が可能。24時間365日の有人サーバー監視を行い、稼働率99.7%を誇ります。
    • 豊富なデザインテンプレート:
      157種類のデザインテンプレートが用意されており、HTML/CSSの知識がなくても、魅力的なショップを構築できます。
    • 多様な決済方法に対応:
      クレジットカード、コンビニ決済、後払い決済、銀行振込など、多彩な決済手段を標準で利用可能です。
    • SEO対策機能:
      メタタグの設定やURLの最適化、内部リンクの強化など、検索エンジンでのランキング向上を支援する機能が充実しています。

      デメリット

    • 費用がやや高め:
      初期費用15,000円、月額料金22,000円(税抜)と、他のサービスと比較してやや高額です。
    • カスタマイズには専門知識が必要:
      デザインの自由度は高いものの、オリジナリティを追求する場合、HTMLやCSSの知識が必要となります。
    • 最低利用期間の設定:
      課金開始月から6ヶ月間が最低利用期間となっており、短期間での利用を検討している場合には注意が必要です。

      向いている事業者

    • 専任のサポートを重視する事業者:
      初めてECサイトを運営する企業や、手厚いサポートを求める事業者に適しています。
    • セキュリティを重視する事業者:
      高いセキュリティ性を求める企業に最適です。
    • 多機能なECサイトを構築したい事業者:
      豊富な機能とデザインテンプレートを活用し、独自性の高いショップを展開したい企業に向いています。

    ※一方、初期費用や月額費用を抑えたい事業者や、短期間のみの利用を検討している場合には、他のプラットフォームの検討も必要かもしれません。

    5.Shopify

    2004年にカナダで創業されたECサイト構築プラットフォームで、世界175ヶ国以上で利用されています。日本では2017年からサービスが提供されています。

      特徴

    • 低コストで導入可能な上、豊富なデザインテンプレートやアプリを活用して、高度なカスタマイズが可能なECサイトを構築できるプラットフォームです。また、多言語・多通貨対応により、越境ECにも適しています。

      メリット

    • 高いデザイン性とカスタマイズ性:
      豊富なデザインテンプレートやアプリが用意されており、プログラミングの知識がなくても魅力的なショップを構築できます。
    • 多言語・多通貨対応:
      海外向けのECサイトも構築しやすく、越境ECに適しています。
    • SNS連携が容易:
      InstagramやFacebookなどのSNSと簡単に連携でき、集客に活用できます。

      デメリット

    • 日本語未対応の部分がある:
      一部の管理画面やアプリ、テーマなどが英語のみで提供されている場合があります。
    • 高度なカスタマイズには専門知識が必要:
      細部までオリジナルのデザインを追求する場合、HTMLやCSSの知識が必要となります。
    • 手間やコストがかかる場合がある:
      基本的にアプリを利用することになるため、想定よりも工数や料金がかかる場合があります。

      向いている事業者

    • 越境ECを検討している事業者:
      多言語・多通貨対応により、海外市場への展開を考えている企業に適しています。
    • デザインや機能にこだわりたい事業者:
      豊富なテンプレートやアプリを活用して、独自性の高いショップを構築したい企業に向いています。

    ※一方、日本語でのサポートや完全な日本語対応を重視する場合、他のプラットフォームの検討も必要かもしれません。

    6.カラーミーショップ

    GMOペパボ株式会社が提供するASP型のネットショップ作成サービスで、2005年のサービス開始以来、国内最大級のネットショップ作成サービスとして多くの事業者に利用されています。

      特徴

    • 低コストでありながら、豊富な機能と高いカスタマイズ性を兼ね備えたECサイト構築プラットフォームです。初心者から上級者まで幅広いユーザーに対応し、デザインテンプレートや集客支援機能、充実したサポート体制が特徴です。

      メリット

    • 低コストでの運用:
      無料のフリープランから始められ、有料プランも月額4,950円(税込)から利用可能です。販売手数料がかからないため、売上が増加してもコストを抑えられます。
    • 豊富なデザインテンプレート:
      多彩なデザインテンプレートが用意されており、初心者でも簡単に魅力的なショップを構築できます。また、HTMLやCSSの編集も可能で、細部までカスタマイズが可能です。
    • 充実したサポート体制:
      メールや電話、チャットでのサポートが提供されており、運営ノウハウやセミナーなどのコンテンツも豊富です。初心者でも安心してネットショップを運営できます。
    • 多様な決済手段に対応:
      クレジットカード、コンビニ払い、後払い、PayPay、楽天ペイ、Amazon Pay、LINE Payなど、多彩な決済オプションを利用できます。
    • 集客・販促機能の充実:
      リスティング広告を低コストで利用できる「かんたんリスティング」や、Instagramとのショッピング連携など、集客支援機能が豊富に用意されています。

      デメリット

    • 高度なカスタマイズには専門知識が必要:
      デザインの自由度が高い反面、細部までオリジナルのデザインを追求する場合、HTMLやCSSの知識が必要となります。
    • 集客面での課題:
      モール型のショップと比較すると、集客や認知獲得のハードルが高いと感じられる場合があります。自社で積極的な集客施策を行う必要があります。
    • 決済手数料が高め:
      フリープランの場合、決済手数料が6.6%+30円(税抜)と高めに設定されています。

      向いている事業者

    • 低コストでネットショップを始めたい個人事業主や中小企業:
      初期費用や月額費用を抑えつつ、本格的なネットショップを運営したい事業者に適しています。
    • デザインにこだわりたい事業者:豊富なデザインテンプレートやカスタマイズ性を活用し、ブランドイメージに沿ったショップを構築したい企業に向いています。
    • 手厚いサポートを求める事業者:
      サポート体制が充実しており、初めてECサイトを運営する場合でも安心して利用できます。

    ※一方、集客をプラットフォームに依存したい場合や、完全に独自開発したい場合には、他のプラットフォームの検討も必要かもしれません。

    7.EBISUMART

    クラウド型(フルカスタマイズ可能なSaaS)でBtoCおよびBtoB向けのECサイト構築に対応しています。高いカスタマイズ性と拡張性を備え、多様な業種・業態の企業が利用しています。

      特徴

    • クラウド環境で提供されるため、常に最新のシステムを利用でき、フルスクラッチに匹敵する柔軟なカスタマイズが可能です。標準機能に加え、多数の外部サービスとの連携が可能で、CRM、MAツール、レコメンド、決済サービスなど、多彩な機能を組み込むこともできます。

      メリット

    • 常に最新の機能を利用可能:
      クラウド型の特性を活かし、システムは週に一度の頻度で自動的にアップデートされ、最新の機能やセキュリティ対策が適用されます。
    • 充実したサポート体制:
      導入前後のサポートが手厚く、専任の担当者が運用開始から運営までを支援します。
    • BtoB機能の標準搭載:
      BtoB取引に必要な機能が標準で備わっており、企業間取引向けのECサイト構築にも適しています。
    • 高いセキュリティと安定性:
      ISMS認証やPCI DSS認証を取得し、WAF(Web Application Firewall)オプションも提供。大量アクセスやデータ処理にも耐えうるインフラを備えています。

      デメリット

    • 初期費用と月額費用が高め:
      初期導入費用は約300万円から、月額費用は約20万円からと、他のサービスと比較して高額です。
    • 小規模事業者には過剰な機能:
      豊富な機能と高いカスタマイズ性が特徴ですが、小規模なECサイト運営には必要以上の機能となる可能性があります。

      向いている事業者

    • 中規模から大規模のEC事業者:
      高いカスタマイズ性と拡張性を活かし、独自性の高いECサイトを構築したい企業に適しています。
    • BtoB取引を行う企業:
      BtoB向け機能が標準搭載されており、企業間取引のECサイト構築に最適です。
    • 長期的な視点でECサイトを運営したい企業:
      常に最新のシステムを利用できるため、将来的なシステムの陳腐化を防ぎたい企業に向いています。

    ※一方、初期投資を抑えたい小規模事業者や、シンプルなECサイトを迅速に立ち上げたい場合には、他のプラットフォームの検討も必要かもしれません。

    8.ecforce

    ecforceは、SaaS型ECサイト構築プラットフォームで、特にD2C(Direct to Consumer)ビジネスやサブスクリプション型ビジネスに強みを持っています。

      特徴

    • ECサイトの構築から運営、売上拡大までを一貫してサポートする多機能性と、柔軟なカスタマイズ性が特徴です。特に定期購入やサブスクリプションモデルに対応した機能が充実しており、D2Cブランドの展開を強力に支援します。

      メリット

    • 高いカスタマイズ性:
      HTML/CSSの編集が可能で、独自のデザインや機能を実装できます。
    • 定期購入・サブスクリプション対応:
      定期購入機能が標準搭載されており、サブスクリプション型ビジネスの展開が容易です。
    • 充実した分析機能:
      売上分析、顧客分析、広告効果測定など、多角的なデータ分析が可能で、マーケティング戦略の立案に役立ちます。
    • 業務の自動化:
      オペレーション自動化機能により、受注処理やメール送信などの業務を効率化できます。
    • 手厚いサポート:
      専任のサポートチームが導入から運営までを支援し、安心して利用できます。

      デメリット

    • 料金が高め:
      初期費用や月額費用が他のサービスと比較して高く設定されており、小規模事業者やスタートアップ企業には負担となる可能性があります。
    • デザインテンプレートの少なさ:
      デザインテンプレートが限られており、独自性の高いデザインを実現するにはHTML/CSSの知識が必要です。
    • 決済システムの外部連携:
      決済機能は外部の決済代行サービスとの連携が必要で、導入までに時間がかかる場合があります。

      向いている事業者

    • D2Cブランドを展開する事業者:
      自社ブランドを直接消費者に届けたい企業に適しています。
    • サブスクリプションモデルを採用する事業者:
      定期購入やサブスクリプションサービスを提供する企業に最適です。
    • 中規模以上の事業者:
      初期費用や月額費用が高めのため、一定の予算を確保できる企業に向いています。

    ※一方で、初期投資を抑えたい小規模事業者や、シンプルなECサイトを迅速に立ち上げたい場合には、他のプラットフォームの検討も必要かもしれません。

    まとめ

    ECカート選びは「現在の規模・予算」と「将来の展望」に照らして検討することが大切です。初心者やECサイト運用担当者の方は、まず、費用感・要件にあったサービスがあるか・運用のしやすさを比較検討し、自社の商品特性や運用体制にマッチしたECカートを選んでください。

    「費用を抑えて気軽に始める」のか「コストをかけてでも機能充実を図る」のかといった優先順位を明確にすると選びやすくなります。

    それぞれのサービスの公式サイトでは機能詳細や導入事例も公開されていますので、実際の活用イメージを掴みつつ、最適なプラットフォームでオンラインショップを成功させましょう。

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